伊集院静のエッセイは好きでよく読みます。初めて前妻夏目雅子さんについて書いたという文章は「あなたは若いから知らないでしょうが、哀しみにも終わりがあるのよ」という言葉で終わっています。数年前に映画で観たチェチェンの老婆のセリフだそうです。夏目雅子さんが亡くなった後、旅に出て酒とギャンブルに明け暮れた時期があったのもエッセイで読んでいました。喪失の哀しみの中で生きるためにもがき続けた日々だったのだと改めて思い知らされました。25年の歳月が過ぎてもなお思い出を綴るのに平静ではいられない、いつかは亡くした人の笑顔に会える日が来る…など忘れられない言葉でいっぱいの本でした。買ってよかったと思います。現在の妻篠ひろ子さんの事を書かれている箇所を読むと彼女も見事な女性だなと思います。こんな風に年齢を重ねていけたらいいと思いますが、人間としての出来の違いであって望んでも届かない高みなのかもしれません。