至高の文芸

中島敦の凝縮された小説を読むと,昨今の長編小説が紙面の無駄づかいに思えてきます。 燃えたぎるような情熱を,森の清流のように冷たくさらっと書き流す不思議な魅力はほかで出会ったことがありません。 新潮文庫の以前の構成が好きでした。 「弟子」の最終ページの余白が多く,余韻にひたって涙が止まらないことになりました。 異動する同僚への餞別に購入した最新版は,文字が児童書のように大きくてがっかり。圧迫感があって読みづらいです。