一見すると、都市の退廃から切り離された農村の無垢なる姿を賛美しているかのように思える。 だが、深く読み込めばそうでは無い事がわかる・・・ この家の周囲は時代の隆盛と共に発展し続けている。 では、なぜこの家だけが取り残された? なぜ最初の住民が去った後、誰も住まない? 推測してみるがいい・・・ ああ、もうわかっただろう?そう、《忌地》だ。 土地の発する瘴気があまりにも強過ぎて、 誰にも手が付けられなくなっているのだろう。 だが、ここで新たな疑問がわき上がる。 最初の住民たる一族、この家を建てた一族はなぜそんな場所に住めたのか? 答えは簡単だ。奴らは魔術師の一族、そしてこの家は奴らの《祭祀殿》であり、 土地の瘴気を吸収し続けた恐るべき《呪物》だ。 たぶん、やつらの末裔がこの家の曳家を行ったのは 家に溜まった瘴気がオーバーフロー寸前だったことと、 邪悪な祭祀を行うには人の目の少ない田舎の方が好ましいためだろう。 もちろんこれは私の推測に過ぎない。 無理に信じる必要も無い。 だが・・・群れる摩天楼の片隅に不自然に建つ『ちいさいおうち』を見つけても、 決して遊び半分に入り込む事だけはするな。 ラ・ヨダソウ・スティアーナ。