考えることを放棄しないで
素直に、私達の間抜けさに愕然としました。
更生、とは何か?
私は何を考えていたのか?「反省」ごときで別の人間にでもなるとでも期待していた?
真摯に生きねば、出所後若い身で一人生き延びられなかったでしょう。そこに嘘はないのは、伝わりました。
現在彼は刑期を終え、犯罪を犯さずに社会生活を営めています。
形の上では更生しています。そう、この本を書いた人はいま私達の中にいます。
どなたかも書いていらっしゃいましたが、彼は生まれつき”こう”なんです。
おかしな仕組みの生理欲求を持ってしまい、特大サイズの自意識とそれに見合った行動力で、どうやっても普通の人間社会の枠組みからはみ出してしまうのです。
14歳にして自分をどうしようも止められなくておぞましい犯罪に走った。
32歳の今も、書かずにおれずに、書いて出版してしまった。
加害者の本は意義深いです。
専門家がひねり出した「分かりやすい」「安心な」分析結果にごまかされずに、直接知ることが出来ます。
まったく納得できず、全然安心できない、事実を。
この本には克明に描かれています。彼は私たちが知るモンスターのあの彼のままです。
人間は別の人間になんて絶対なれっこありません。
更生とはなにかを具体的に思いもしなかった、我々のお花畑っぷりを心から反省したい。
今後に生かさねばならない。
なお、社会的な意義を述べれば、この事件をきっかけに少年法の厳罰化が進みました。
善良な市民がちょっとやそっと働きかけてもどうしようもないものを一犯罪者が大きく変えてしまいました。
またこの本をきっかけに犯罪歴を商用利用できない(被害者救済に使う)「サムの息子法」が日本でも検討される可能性が高いです。
どちらにせよ後出しじゃんけんで、少年Aは逃げ勝ちですし、社会はまた少し整備されるわけです。
なお、この本の売上について、犯罪者が儲かる!と非難する人もいらっしゃいますが、少年Aとその両親は総額1億4000万円の民事訴訟にて全額支払い命令が出ています。
よってこの売上は全額差し押さえ対象になる可能性が非常に高いです。
犯罪者が儲かってウハウハという図式になる可能性は低いです。
最後に。ご遺族が、この本を読んだ人間を、読んだというだけで、心底憎悪してしまっても責められない、ひどい描写や内容だったことは申し添えておきます。
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