引退、そして競馬界との決別!?男藤田の書

さすが男藤田。やってくれました。 引退を覚悟し、競馬界との決別を決意しているかのような過激な内容。 JRAや大馬主、同僚騎手を辛辣な語り口で批判。 彼がデビューしてから、昭和の競馬最盛期、そして競馬の現況について余すところなく記されている。いま競馬を取り巻く最も旬なネタがすべて網羅されているといってもいい。後藤騎手の落馬負傷、外国人騎手、若手騎手の引退、無気力騎乗、大馬主、裁決問題・・・ いちばん面白かったのは、同僚騎手に関すること。 あのリーディング騎手を成績はいいけど腕がないと斬り捨て、 エージェントの力で、有力な馬に騎乗して勝っていると評している。 現役騎手の騎乗フォームの写真を用いて良いフォームと悪いフォームをあげ、 しかも、悪いフォームの例はリーディング上位のあの騎手。 また、岩田や蛯名などファンから見れば豪快で見栄えのするフォームを、トントン騎乗と呼び、馬上で激しく動くのは馬の背中を痛めるとし、”俺は認めない”とまで言っている。 特別模範賞やフェアプレー賞を受賞し、自他ともに認める騎乗技術をもつ藤田騎手。レース後に危ない騎乗をした若手を呼びつけて叱るとか、若手に注意してるベテラン騎手を”おまえこそ危ない”と一喝して黙らせるとか、生々しいやりとりが面白い。 初心者から玄人まで楽しめる競馬本。 初心者にもわかりやすいように競馬用語も解説してるし、 競馬界の現況を図表を用いているのは、まるで政府刊行の白書。 彼がほんとに書いたのだろうかと思うほどわかりやすい。 競馬界の重鎮・岡部幸雄を”孤高の人”と評しているのはいいが、そのエピソードが、宴会で裸踊りをしても誰一人近づかない人というのは、いただけない。 面白すぎて電車の中で読んでて吹いてしまった。