たいへん読みやすい芥川賞作品

よく知る震災後の亘理町を舞台に、仙台市の書店に勤める著者が 芥川賞をとったというので購入してみた。 亘理町、特に「鳥の海」近辺は津波による被害が甚大なものなので、 それを中心に書かれていては読みづらいと思っていたが、震災後の 植木職人の生きざまを描いたものだったので安心し読みやすくはあった。 亘理町鳥の海にはサイクリングでよく行っていたし震災直後の情景も 目にしていたので本に書かれている場所場所の姿を目に浮かべながら 読み進めた。私などでは気づかないような情景に対する描写が細かく 書かれてはいるが、ただの植木職人の十年間の生活を描いただけの ようにも思える。震災と関係のない不幸が次々と訪れるあたりは、 やはり小説なんだと思ったりもする。色々な面で読みやすくは あったが、これが芥川賞をとる小説なのかとちょっと疑問を感じた。 方言も使われているが一つだけわからない単語と、句読点が一個 足りない部分があったのが気になっている。