とても興味深く、面白い内容の一冊
まず、今まで知らなかったお金と金融の歴史や仕組み、そこに潜む問題点を知ることができたこと。経済格差はもとより環境破壊、世界各地で起こる紛争までもが金融システムの歪みと関係していて、それは構造的な欠陥ではなく、社会・経済システムの制度設計を行ってきたロスチャイルド一族をはじめとする一部の支配者層たちの意図に基づいたものであり、そのシステムによって一般庶民は知らず知らずのうちに搾取され続けているという事実は少し衝撃的だった。
著書の中では更に、彼ら支配者層がどのようにして自分たちの理想の世界を築きあげようとしてきたかを、世界史をたどりながら明らかにしている。後の歴史上に起こった戦争や現在の食糧危機、地球温暖化なども、元はといえば18世紀にロスチャイルド一族とその同盟者たちによって作られた「世界革命行動計画」を忠実に実行していった結果に見えるということで、その実例をいくつも挙げている。誰でも知っているような著名な政治家たちが行った政策、例えば小泉首相が進めた郵政民営化なども結果的に国際金融資本家たちの思惑に応えるものとなっており、「世界革命行動計画」の内容にも通じるものがあるという。
最後には未来への提案として、自立型経済への転換を提言していることも興味深い。政治や金融の独自性(通貨発行権を政府に帰属させる等)、食料やエネルギー自給等によって銀行家からの借り入れを減らし、国際金融資本家たちの支配力・影響力を弱めるというものである。提案内容の個別の中身についてはそれが本当に正しいのか正直分からない、疑問を抱く点もあるが、著者も自身の提案がベストではないと言っているように、この提案をきっかけに議論が高まることは良いことだと思う。
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