カトリック教徒であった遠藤周作が、自分の筆で書き上げた「イエスの生涯」。この本は、学問的な視点から見ると疑問符つきで読まねばならないところがたくさんあります。(今日では遠藤氏がこの本を執筆した当時よりも、もっとイエス研究が進んでいるためでもあるでしょう。)しかし実際にイスラエルを訪れたことのある遠藤氏の視点、そして信仰者としての遠藤氏の視点は、「イエスの姿」を新たな角度で描き出しています。この作品は、遠藤氏の信仰告白であるといっていいのかもしれません。興味深い作品です。