信じてきたもの、他者との絆や愛情、思い描いてきた夢、取り巻く環境…大切にしてきたものが虚しく壊れるとき、信じてきた世界が幻想に過ぎないと知ったとき、人は「生きる意味」を何に見出そうとするのか。外的世界への信頼感は、どう再生するのだろうか。 喪失の体験、心の痛み、変わるものと変わらないもの。そうしたものを、一歩ひいてただ静かに見つめる。 筆者のことばの世界には、柔らかな光に包まれた静謐な美しさがある。 そう気がついたとき、いつしか心は癒されているのかもしれない。