基本的には良作

先ず結論から入るなら。 5話オムニバス形式の作ながら、時間等の段差を感じされられることもなく一本の一貫した作として読める、まずまずのアタリであった。 ドラマを視たのがきっかけで購入したので、どうしてもTVドラマとの比較になってしまうのであるが、ドラマはドラマ・小説は小説といったとこか。 原作にはドラマに在った(各話の)主人公と家族等の絡みの設定がなく、主人公達がひたすらに『江戸を建て』ていった姿が純粋に描かれる。そのため、年齢設定等に矛盾を感じさせることもなくすんなり読め、個人的にはこちらの方が好みだ。 また総編主人公である家康の描かれ方もドラマのように(やはり)エラい人!といった感じではなく、巻末解説に曰く『どこにでいそうな時にはわがままなおじさん』である。 どこにでもいそうなおじさんの発案を、これまた特筆することもない人物達が黙々と遂行することで、江戸を建てると言ったとてつもない大プロジェクトが完成していった… このさりげなくもあっけない世界観も、また個人的には好みである。 難をあげるとするなら、述べてきたことを逆にいえば、文学作品にしては理屈っぽいのである。 この点が満点を付けなかった理由なのであるが、ともかく基本的には良作である。