すごいピッチで新刊出ますね~

著者の作品はすべての新刊本と文庫を揃えています。 個人的には、ここ数年の広げた風呂敷を広げっぱなしのまま読者に投げて終わる遣り方になんとなく不完全燃焼な思いでした。ピックアップする題材(言論統制、原発問題、代理母等)は素晴らしいのに、読者側の所謂「イヤミスへの期待」が先行しすぎるためか、著者その人がうまく咀嚼できないままに取り敢えず筆を先に滑らせているような…グロテスクや柔らかな頬を読んだ時の感覚は長らく味わえないまま、反面期待も捨てられず。ここ何作か、惰性で買っていると自覚していました。 しかし今回、まだ上巻を読んだ時点ですが「いいな」と感じました。変な話、多彩な作家も人間なわけですから、己が一番勢いのある時期(時代)に体験した事や手にしたモノから想像の枝葉を広げて行くのが一番いいのかなと思ったりしています。この作品はバブル前夜~崩壊とコロナ禍のエピソードが少し?(下巻未読のため)、1986年前後は作者も乗っていたのでは?これを書いている時楽しかったのでは?と想像できるような勢いのある筆でした。 生意気ばかり書きましたが、著者の華々しいキャリアと年齢、現ペンクラブ会長という肩書きを考えると「馬力と熱量、挑戦的な視線がすごい」と感服せざるを得ません。今回は率直に購入して良かったなと感じます。 内容はもちろん、カバーもこれまでとひと味違う趣。攻めの姿勢って大切ですね。