映画化されるらしい
佐藤泰志という作家は全く名前すら聞いたことのない、私の中では無名の人でした。
この古典的な題名もだけど、絶版になっていた作品が20年ぶりに日の目を見るということ自体珍しく、読む気になりました。
中上健次や村上春樹にも劣らない筆力と言われてるように、確かな存在感を持つ文章です。何度も芥川賞候補にあがったけれど、受賞はできなかったことが不思議なくらい。
主人公、達也の中のじりじりした感情は、もしかしたら作者自身の精神の投影があるかも。登場人物に多くを語らせず、目でものを言わせる技巧は、最近の流行作家にはあまり見かけない表現方法ではないでしょうか。読み始めの数ページは、外国の小説、例えばカフカやカミュあたりを彷彿とさせ、新鮮な感覚を覚えました。
他のユーザのコメント