こちらを受け取った際こんなに重くて分厚い本を読破するのにどのくらいの時間を要するのだろうかと正直途方に暮れました。 読み出してみると訳されている方が大変にお上手で下手な純文学小説よりすらすらと読み進められましたが如何せん内容が時に相当ショッキングでスピリチュアルな出来事の連続でついて行けるかどうか不安にもなりました。多少なりとも間口が広く地道なところのある自分の性格に感謝したりもしたものです。 この書は著者が神人ババジに聖書とヒンズー教の聖典の根本的な思想の一致について簡単な本を書いて欲しいと依頼されたことに端を発しておりそれらとヨガと著者の生涯を交えつつ纏められた非常にユーモラスで恐らく真摯に向き合うならば性別人種宗教の枠を越えてどんな立場の人間にも神や生死といった宇宙的真理が分かりやすく飲み込めるよう説かれた一冊であると思います。 加えて本当にとても深い師弟愛の物語です。 著者の師のそのまた師が弟子達のカルマを腫れ物として自身の身に背負い手術を拒んで『旅に出るには口実が必要なのだ』と語る場面では初めて思わず声を出して泣いてしまいました。そして、いや著者は最初から愛について書いていたではないかと改めて気づかされました。 ヨガナンダは1952年にマハサマディ(ヨギの肉体解脱。ヨギが意識的に肉体を脱ぎ捨てること)に入り肉体としての生涯を終えたそうですがその一時間前に撮られたという写真の笑顔の様子が穏やかで美しいくらいです。 沢山の方々にお薦めしたい素晴らしい一冊です。けれども「ちょっとだけヨガをやっているから」といったあんまり軽い気持ちでは手に取らないほうが無難かなと迷ってしまうそんな書籍です。