洋行前の作品に比べて、明らかに力が抜けたと言うか、気負いのない筆致が非常に心地よい作品です。文学で名を成すとか、著名な存在になりたいなどという野心など感じられない、ただ文章を紡いでその美を追求したいという思いが伝わってくる作品です。世の中で「日陰者」という扱いを受けている存在に対する惜しみない愛情が感じられます。そういう人こそ本当に純朴であると言うスタンスが本当に心地よいです。