占領下日本で起こった怪事件のひとつと言われる下山国鉄総裁轢死事件。今までも松本清張を始め多くの著作等で取り上げられてきたこの事件を、敬愛していた亡き祖父が事件に関わったかもしれないという著者が追う。
著者が丹念に追う事件のあらましから改めて浮かびあがってくるのは、一人の人間が死んだというには、あまりにも多くの関係者がいたという事実だ。多くの人間が直接間接に事件関わっており、それぞれがなんらかの事実を認識していたにも関わらず、事件は迷宮入りしたのだ。事件の背後にあるあまりにも暗い闇の存在が見えてくるこの前半部の怖さは尋常ではない。
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