フェルマーの最終定理に関わった数学者達が年代順に紹介されています。古くはフェルマーの定理の原点となったピタゴラスの定理のピタゴラス、背理法を用いて無理数が分数で記述出来ないことを示したユークリッド、虚数を発明したオイラー、女性数学者ソフィー・ジェルマン、コーシーとラメの証明が袋小路であることを示したクンマー、証明の突破口となった谷山-志村予想、等々。そして最後に証明を成し遂げたワイルズまで数学者達の200年以上に及ぶ証明法探求の歴史が興味深く展開されていきます。最終定理の証明は数学者でなければ理解できないものですが、その概要を数学の美しさを損なわない範囲で理解しやすく簡略化してあり、理系の方なら論理を追うのは容易でしょう。文系の方でも数学者達のドキュメントとして読めば楽しめます。 また数学の応用に関するエピソード(暗号解読、コンピュータの発明、ゲーム理論等)が数多く出てくるので、その点も面白く読み進めることができます。興味本位で書かれた薄っぺらなドキュメンタリーとは次元の異なる読み応えのある本でした。