これは人類遺産である!!

一応、本好きの私ではあったが、恥ずかしながら今の今まで読んだことがなかった。結果的には悲劇的な出来事になっていくのだが、日記の大半は本当に平凡な一人の少女の、素直な心理描写。 偽物説もあるようだが、私には人に見てもらうために書かれた描写ではないような気がする。それだけ赤裸々であり、私ら世代の目線では時を超えても、ちょっと生意気でハナにつくところもあるが、成長過程の女の子が素直に自分の短所と向き合い、精一杯、解放後の自分の将来や、女性としての生き方を夢見ている姿には、素直に好感が持てた。また、アンネ自身が特別の才媛でもなく、ごくごく普通の等身大のティーンエイジャーであることも、共感を呼ぶ一つの原因かもしれない。私は通勤途中に少しづつ毎朝読んでいたが、日がたつにつれ、まるで現実の誰かに毎日、メールか手紙で報告をもらっているような錯覚を覚えてきた。「さて、昨日は、どうだったのかな?」と。それだけ、リアルで身近に感じたのである。それが、ある日突然、プツリと途絶える。なんだか、朝の地下鉄車内で、私自身が本当の喪失感を感じてしまった。私の脳裏には、特殊警察やゲシュタポが隠れ家に乗り込み、強引に手を引き連れ出される8人の姿が浮かび、目の奥が熱くることに我慢できなくなってしまった。その時のアンネを思うと・・・・・・・、どんなだっただろう。現実の話である。半世紀以上もたってしまったけれど、改めてここに、アンネよ安らかに・・・・。