大河ドラマ!
良くも悪くも“大河ドラマ”的な作品でした。 現代警察小説の第一人者佐々木 譲氏を印象付けたインパクトは絶大。 この作品が第142回直木賞受賞の『廃墟に乞う』へのステップアップとなったことは明らかでしょう。
警察物と言っても勧善懲悪の捕物帖でも熱血ヒーロー大活躍物語でもありませんし、人生の喜怒哀楽を描いた人情現代劇でもありません。 まして3世代に及ぶ主人公たちは絵に描いたような正義感溢れる熱血漢、善良な“おまわりさん”などではありません。
【警察】という清濁併せ飲む特殊な実態に則した現実社会に潜む様々な問題点が多岐に渡って暴き出されていきます。
決して爽やかなお茶の間ドラマにはないリアリティが感じられます。 戦後の混乱期から現代まで三世代に及ぶ「警官の血脈」が現場目線で視点を変えながら描かれていきます。 この作品は「起・承・転・結」の流れが3世代間で役割分担されている。 そのスケール感たるや、山崎豊子女史を髣髴させるような、まさに大河小説。
ただ、残念ながら細かい描写(時代背景、世相の空気感、内面心理描写など)が不完全。 特に女性視点での心理描写は曖昧模糊としている。 場面を切り取ったら、ヒューマンドラマとして薄っぺらい印象が残るのはそのせいでしょうか?!
これをもし、補うならば『太平記』並に巻数を数える くらいになりそう。
※ 逆にスピンオフ作品がいくらでも出てきそうな未完全さはこれからの発展が期待できそうです。 事象を掘り下げてエピソード1とか、エピソード2とか。 むしろココ(本作自体)までが前段で、ここをルーツとしてキャラを確立、進化発展系シリーズ化もありかも? 刑事・安城 和也の事件簿とか?!
登場キャラは【加賀谷 仁】を筆頭に【早瀬 勇三】【田川 克三】など実に魅力的。
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