大方のあらすじを知っている人は多くても、呼んだことのある人はほとんどいない。雷のエネルギーで生命を得たなんてどこにも書いてない。あれは映画だけの話。よみがえった怪物は本当は心の優しい怪物である。川で溺れている人を助けたり、冬の間貧しい農家の仕事をこっそり手伝ったりする。しかし彼は人前には決して現れない。自分自身の醜さを心得ているから。いや、人間から教わったというべきか。醜い姿をしているというだけで差別されるに十分だということを。だんだんと荒んだ心になった怪物はついにヴィクターの弟、友人、恋人を殺していく。弟殺しの罪をお手伝いさんになすり付け、その裁判のシーン。ああ、苦しい。こんなにも苦しい小説があるのか。怖い話ではなく、悲しい話。ホラーでもなんでもなく、自分の作り出した物によって自分が苦しむというジレンマについてかかれた小説。なぜこんな小説が、二十歳そこそこのおねーちゃんメアリーシェリーがかけたのか。不思議でならない。身の回りに、こんな能力を持ったおねーちゃんを知らない。もしいたら、10歳年下であることを承知で全力で口説く。