猪山家は代々加賀藩の御算用者であったが、特に幕末から明治時代にかけての直之と成之のやり繰りが時代の背景とともに描かれている。武士をとりまく環境が大きく変化していく中、状況に応じて様々な手を打ち、世代を超えて経済的な成長を成し遂げてきた様子については、映画「武士の家計簿」でも面白く描かれている。一方、社会変動の激しい時代に大切なことはどのようなことなのだろうか、そして、どのようにしたら未来をつかむことができるのだろうか、ということを考えるための良い材料になるという意味で、本書は映画とは別の面白さがあるといえる。