言葉だけが広まっているが
自分自身もそうだし、知人には同じ状態の者が多い。読んでいけば、それなりに胸を締め付けられる人も少なくはないと思う。
ただこれは、動物も含めて親子間の根源的問題であって、虐待を受けた子供達の心の闇と混同するとよくないと思う。
同じ兄弟でも、一人だけが深く傷ついたりするし、本人のもともとの気質というのも大きい。それを読者が安易に「愛情が足りない」という言葉でくくると、「過保護」というもっと深刻な状態を招きかねない。
人は親子関係を通じて、欲望が常に満たされない経験をするのが普通だと思う。その欠落をバネにして、著者が多くの作家を引き合いに出しているように、ある者は創作活動に向かい、ある者は伴侶を求め、ある者は仕事での自己実現をめざし、人生を進んで行くのではないだろうか。
それをバネに出来ない者、押しつぶされてしまう者が問題なのであって、弱さをいくら分析しても、強さには結びつかないように思う。
また、かような状態を「障害」と表現することには疑問が残る。発達障害のような、脳の微細機能障害とはあきらかに違うのだから。
著者は精神科医なので、患者(訪ねてくる者)をカテゴリー分けするのは必要なことだが、一般読者にはあくまで「精神科医的なものの見方」として読んでほしいと思う。
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