みんなが読むとよいです

小学生、中学生、高校生、大学生、社会人の各段階で読んだ作品。 小学生の時、週刊紙で読んだ。ゲンと弟が歌う変な歌や、特高に拷問された人が「ギギッ」と死んでしまうのが面白かった。ゲンがだんだん一人ぼっちになっていくのが切なかった覚えがある。 中学生の時は、友達の家で単行本を読んだ。原爆で被害を受けた街や人の描写が怖いねぇというような話をした。 高校生の時は長崎に修学旅行に行く前後に図書館で読んだ。実際に原爆の被害にあった街や人を見て、「原水爆はいかん!」と思ったが、被害の写真などを見学すると、SF映画の場面のようでリアリティーが感じられず、「ゲン」の絵にリアリティーを感じた。 大学生の時は、原水爆が現にある今の世界について考える参考書の一つとして大学図書館でよんだ。単なるスローガンでは世界は変わらないが、「はだしのゲン」を被爆国である日本、加害者であるアメリカ、ソビエト、中国などの核保有国、被害者になる可能性のある全ての人に読んでもらえば、世界が変わるきっかけになるのではと考えた。 社会人になって甥や姪が物心ついた時、彼らにも読んでもらいたくて文庫版をプレゼントした。その本は彼らの友達たちにもよまれ、今は散逸してしまったので、新たに購入した。 ゲンは、明るく逞しく生きる。近所の優しいおじさん、父、妹、母、弟が死んでも生きる。ゲンの生命力をとことん描くこの物語は、人間を肯定するもので、原爆を生み出した人間を呪い断罪する物語ではない。僕はこの「はだしのゲン」がすきだ。