東大テイスト

良くも悪くも、東大生作家さんということで評価が始まるのでしょうね。 おなじ系統の作家さんとして京大の森見氏と比べられそうです。 この処女作、主人公も舞台も東京大学本郷弥生キャンパスです。 推理小説としてはまあOK、ストリー展開もスムーズ。 でも、なんというか、すごく薄味。 なんでかなぁ、と考慮するに、登場人物の書き込みが足りないのかと。 性同一障害の同級生(ネタバレ)、オタクのゼミ下級生、迫力のゼミ助教授、キュートで身勝手な死神、財閥後継者の彼女。みなすごくキャラが立っているはず。 でも、みな学業優秀で本筋はけっして外さないのね。 そこが森見氏描くところの、人間以下の京大生群像との違い。 喜多氏は企業研究者に身を置きながら、作家活動を続けるようです。 (すでに3作目まで出ているご様子) 多くの人間観察を通し、熟成された登場人物を描き進まれるよう願っています。