異なる視点で歴史を視る
著名でない人物や忍者の話から始まって、秀作だが興味が湧かない本だなという印象だったが、一貫して古文書をからの歴史分析の姿勢には好感を持てた。
ところが、東日本大震災の章から一気に内容に惹かれるようになった。著者の古文書調査結果によると、日本には四、五百年周期で日本全国レベルの地震活動期があること、日本の繁栄はその休眠期に無意識に発展にだけ目を向けて構えてきた偶然の産物であったこと、を意識させられた。
安全(安心)と対策(コスト)はバランスが重要であることは理解している。いつ起こるかわからない(起こらないかもしれない)事象に莫大な費用を費やすことは英断に等しい。当該震災の原子発電所事故(事件)は単なるエネルギー政策問題ではなく、日本人は、頻度は低いが影響力が大きい「地震」という問題を抱えながら生活していかなければならないことを痛感した。
著者の視座、視点に注目しながら、今後の著書にも期待したい。
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