正直、読み進めるうちにこの邦訳タイトルには失望させられましたが、中身はたいへん面白いです。量子力学の観測問題がメインテーマになっています。もしも誰一人として見ていた人がいないならばそれは現実に起こった事になるの?という感覚はありませんか?そういう観点からのアイディアが物語りの核になっています。著者の他作品にも見られる近未来的な具体的なアイディアの数々には話をスムーズに進めるためと、読者の好奇心をそそるためとの両方の魅力が感じられます。 もっと続きが読みたくなるエンディングが、他のグレッグ・イーガン作品を求める求心力になるのは著者の為せる業でしょうか。