萩尾望都さんは、特に震災以降顕著に、「まるで違う作家のように」雰囲気が変わってしまいました。ミュージカルのような、悪い言い方をすれば派手な動きや表情が目立ち、それこそ以前の『ポー』のような作品のように、静かに佇む寂寥感のようなものは、一切見かけられなくなりました。元々、構築は素晴らしいので、作品としての読み応えに全く問題はありませんが、もうあの萩尾さんは居ないのだな、と、これは『ポー』だけれど、『ポー』じゃないんだな、と、それを知らしめるような一冊だったと思います。昔の萩尾望都は詩人でしたね。