水木戦記物の中ではかなり読みやすいw
現在、水木しげる氏の著書は40冊を超えた辺りなので、まだまだ到底その膨大な作品に触れてきたというわけではないですが、この書は水木氏の多々ある戦記物の中で、内容・コスパ・読みやすさ等は最高峰だと思います。
好みは分かれるかと思いますが、まず入手しやすい角川の文庫戦記物と比較してみますと、「白い旗」は貸本時代のものが多く、資料としては貴重ですが、読みにくい場面もある。「総員玉砕せよ!」は長編として素晴らしいものだと思いますが、昭和史・水木しげる伝との内容的なかぶりもあり、ボリュームの割には台詞が少なく直ぐ読めてしまう感じだからです。
また、ちくま文庫の「ラバウル戦記」などはイラスト+エッセイという感じですから、純粋に漫画比較は出来ませんし、ちくま文庫は紙質が悪い割に高価でせこい感じですがコスパが良いとは言い難いです。
著者あとがきによりますと、「敗走記」はおおよそ前半がノンフィクション・後半がフィクション混じりの作品が多い感じみたいですが、その作品も戦争体験者しか解らない様な視点でその悲哀が描かれており、どの短編もかなり興味深く読めました。
特にこの書は戦時下での人道的なお話も有り、加えて運命の存在についても本当に不可思議としかないようなものも有りかなりのお気に入りの1冊となりました。
水木作品、戦記物初心者には特にお勧めしたいですw
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