さすがかもしれない。

60を超えた教授センセイ、特に長年勤めて定年退職したあとになる「名誉教授」のセンセイ方が唱える自説は、だいたい暴走することが多いから、耳を傾けるに値しない、というのが大方の見方だろうが、あまりない例外といえるのが、故・河合氏だろう。本書も、晩年と言っていい頃のものといえるが、内容は、(極端では?と思える意見もなくはないが)ずいぶん説得力のあるものではないだろうか。 子育て中の親の質問に対するQ&Aという形式をとっている。1つ1つは長くないが、なるほど、と思える内容も少なくない。このあたりは、さすが心理臨床(臨床心理ではない)の草分けである。 ただ残念かな、そろそろ河合氏をご存じでない世代が親となり、河合氏の人となりやなしえた仕事のすごさを知らないと、本書の深みを理解できなくなってきている。そういう時代へと移ろった。