800ページ超の大長編ですが、物語の展開も良く文体も意外に読みやすく、一気に読めました。 私は傑作と言われる『刺青殺人事件』『人形はなぜ殺される』の本格推理のニ作品しか読んだことがなかったのですが、昭和30年代に実在の人物をモデルにピカレスク・ロマンとして作品化した作者の着想と力量、また作風の広さに改めて驚きました。作者はもっと再評価されてもいいのではと思います。