本書の狙いは何であろうと無学の徒である自分には良く理解できない。しかし、系統樹的思考という 一見体系的なものにまとまる、あるいはまとめることでものごとが明確になると著者は述べている。 プロローグを読めばわかるとおり、一見学問的な思考方法を提案しているが、その着眼したきっかけは「生命の樹」という神学(神秘学?)という概念から発生していて興味深い。 本書を締めくくるにあたって、著者は「系統樹はことばです」と明言し、系統樹という図形言語を理解することで視野が広がると述べていました。 まあ、著者の意図に反する言い方かもしれませんが、系統樹というものがことばであるならば、そのことばには信憑性がどのくらいあるのでしょう。ことばは表裏一体。良くも悪くもことばに過ぎないのです。そこには主観的なその人の正しさ(あるいは主張)が述べられているだけ。 確かに著者の立場(学問の世界)から、その一部の世界ではある程度納得できる含蓄があります(正直自分ではかないません)。 ただ、著者は系統樹というものからではありましたが、視野を広げ、新しい視点を得て、新鮮な知恵を得ようということで共感できました。 さて、この新書を書店にて見つけたら、白い表紙をめくって裏側を確認してみましょう。そこには著者の意図にはまり込むわけですが、「セフィロトの樹」のイコンが描かれています。宝探しに似たこういうユーモア(著者はユーモアでもないのかもしれませんが)を実際表現する実力をお持ちのようです。ただ脱帽するまで。むしろこちらのほうが本書の内容よりも新鮮でした。