個人的にはいつも通りの、みっちりと緻密な記載がされてある周辺がやっぱり面白い。引き込まれる場面に遭遇するとあーこの辺りは乗って書いてるんだなあと思います。章ごとにいつもよりも奔放でトリッキーな構成をしていて止まらない勢いに満ちた遊びもふんだんに、タイトルのショッキングさ、前提となるキャラクター付けの特異性を売りにしていて、残虐で残酷というよりも悲惨で凄惨かと思いますが、なんとかついていけました。テレビ番組等では扱いづらいでしょうが、時代小説には結構あるかも?主人公の兄の境遇に潜在的シンパシーを受ける子供の感受性を感じてしまったり。登場人物同士の存在価値の交錯。交感神経、反射反応など相互に影響しあい、排他的時代背景を後ろに人々が選別されていくようで、悲しい場面もちらほらありました。隊士や時代に沿ったキャラクターがそれぞれ場面を持っているのがうれしいけど…いるだけで何か怖い。常に危険に晒されています。感情移入しすぎずに、いっそ前後に進んだり戻ったりしながら休み休み読む方がよいのでは。払われぬ怨念のごとくに、その現代的な否定精神と溢れ出る狂想じみた思念は苛烈で恐ろしいものなのですよ。