中野信子さんの御本は夢中で読んでしまいます。見えないものに対する恐れ、人の心が作り出した異形のもの、想像力豊かな画家の思いや技は素晴らしい。この世にいるはずのない架空の生物、反して存在しているのに存在していないように扱われる者もあり。子どもの頃、美術の教科書を見て「何か異様なものが書かれている」と気づいて、気になって仕方なかった。その頃の美術教師は聞いても「そんな所が気になってるのか」などとこちらを馬鹿にするような物言いをするか、またはまるで聞こえなかったようなふりや誤魔化すような言い方しかしなかったのでそれ以上尋ねる事をやめてしまった。 今、考えてみれば教師も知らない事だったかと思う。 心の底に沈んでいた疑問がスルスルと解説される喜び、中野先生の御本が大好きです。 解説の文章だけだと「絵画のどこの部分か」と探してしまうが、絵画に矢印が記してあったり、拡大してくれているのでとてもわかりやすいです。 難を言えば本は見開きなので、問題の箇所が真ん中だと何も見えない事。 その場合、本を作る時にページの片側に絵画を印刷するようにして欲しい。