己をもっと知るために
グレーな人も診断済みな人も、この本は経験を分かち合い、己を知り、自己肯定をしてくれる本だと思います。
本書で体験談を寄せる女性たちは大人になってからようやく診断された方が多い。違和感を抱えつつも、その正体を形容したり、言語化できないまま大人になった女性たちは、一見問題がないように見えてしまうのが問題であり、内なるストレスは計り知れない。
全て海外の女性の体験談なので、日本人でその体験は少ないのでは?というエピソードも中にはある。誕生日パーティが嫌とか、公共の場で隣の人と他愛もない話をするのが嫌とか。
なるほど海外ではコミュ障は暮らしにくそうだ。
しかし、逆を言えば、日本で暮らしていると、ASDに気付きにくいのでは、とも思う。
「ASDって人の気持ちがわからない人でしよう?本なんか読んでも登場人物の気持ちなんてわからないんじゃないの?」
……そう思われがちなASDですが、意外にも本書により読書家や空想するのが好きな方が多いことがわかった。なにもASD全員が想像することが苦手なわけではない。本を読んで深く感動する繊細な心を持つASDも沢山いる。豊かな想像力を持ち、空想世界に浸ることで現実のストレスから逃避ができるASDだって沢山いる。
ただ、ある意味ASDは人の気持ちがわからない、というのも一理あるのかもしれない。私たちは定型発達さんたちの気持ちが分からないから苦しいのだから。多数派の人たちから見れば、社交的なことを楽しめない私たちは理解しがたい異常者かもしれない。
本書では女性のASDの特徴の例として、興味関心の対象、イマジナリーフレンド、慢性的な心身の不調、やめられない自傷行為や湧き出る自殺願望、母親になる選択、ならない選択、カテゴライズの難しい性自認など、本当にさまざまな事柄を扱っており、読み返すたびに自己理解が深まります。
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