六書の部分の説明不足さえ補えればgood

小学生には難しいとのお話がありますが、大人にも難しいです。原因は最初の六書の理論が分かりにくい言葉で表現されている上に説明の工夫不足があります。例えば、形声文字と会意兼形声文字を並べてありますが、最近の学説によると会意兼形声文字ではない単なる形声文字はほとんど存在しません。従って、従来の形声文字のほとんどは会意兼形声文字です。又転注文字や仮借文字に関する言葉の説明は大人にも理解しにくく、例として書かれている「音楽」と「楽しい」との間の矢印は大人にも意味不明であり、下記の『漢字家族』の記載とは逆向きで書かれています。後漢時代に学者の許慎によって書かれた『説文解字』という部首別の漢字字典の解説の中で使われた六書という分類があり、その分類は漢字の成り立ちを基につくられており6種類あるのです。この六書の理論を現代の一般の人(小中学生を含めて)が実用に対応できるようにきちんと理解するにはもっと工夫や補足説明が必要と思います。これにはネットの『漢字家族』等が便利に利用できると思います。私にはネットがとてもよい補足説明になりました。六書の部分以外にも表現に問題があります。例えば、48ページには「漢字の中に共通の部首があれば、同じ意味になる」との表現がありますが、本来なら「漢字の中に共通の部首があれば、共通の関連性がある」としなければならないはずです。これらの説明不足さえ補えれば分かり易くてよい本だと思います。重要なのは六書の部分を含めた最初の58ページまでの基本的な理論の理解であり、ここの理解がやまになります。58ページまでが理解できていさえすれば、59ページから後は単純明快でまさに小学生でも誰でも理解できます。漢字に関する系統的な知識が身につくことで漢字や言葉を覚え易くなることは確実だと思います。 小学生でも大人でも同じことですが、この本の六書の部分の内容を言葉どおりに理解しようとすればなかなか頭の中で理論を組み立てることが難しい書き方になっています。それを本書以外の知識で補うことにより簡単に可能になります。 評価に関しては、六書に関する著者の探求がきちんとはなされてはいないとは思われますが、大人の漢字学習に対する必要にも充分に対応した内容であり、マンガになったものでここまでよい本が他に存在しないので、改善への期待も込めて5星とします。