単なる手順書ではなく根本的な原則を学べる

生ごみリサイクル元気野菜づくりの単なる手順書ではない。全209ページのうち手順書部分は第4章の12ページだけで実際、著者自身も「はじめに」で第4章は読み飛ばしても良いと書いており、大事なのはそれ以外の部分。 現在著者は「元気野菜」ではなく「菌ちゃん野菜」と呼んでおり、本書でも元気野菜は菌ちゃん野菜と読み替えて良いと思う。 農業や食生活において病原菌を排除しようとすると無菌を目指すことになるがそれはうまく行かない。微生物と共生することによって人類の将来に明るい希望が見えてくる。農薬を使わなくても虫や病気が寄ってこない元気野菜のいのちをいただくことによっておなか畑が健康になり、免疫力が向上して感染症に対しても恐怖心を抱かずに済むようになる。野菜の皮や生長点を捨てない調理法、脱脂加工大豆や化学調味料を駆使した安価な調味料ではなく本来の製法の調味料がいかに良いかも分かりやすく説かれている。 家庭菜園や学校や幼稚園などで生ごみリサイクル野菜づくりを実践しようとしている人にとっては、具体的手順というよりそれを実践することが如何に素晴らしいことなのか理解できると思う。農薬や化学肥料を使う慣行農業や、生ごみを使わない普通の有機農業をしている人にとっては、微生物と共生する育て方の基本的理論を理解し有機農業の更なる成功や炭素循環農法へと進む一助になると思う。専ら食べるだけの人にとっては自らの食生活における選択によって、自らの健康を維持・向上させると同時に持続可能な農業、持続可能な食品産業を応援する方法が理解できると思う。 私自身は野菜などの有機栽培を実践しており、著者が数年前から普及活動をしている草だけを使った無肥料栽培にも注目しているが、本書ではそれは紹介されていない。草だけによる無肥料栽培についても解説するような次回出版を待望している。