家族という病

家族カウンセラーである著者がアダルトチルドレンや共依存の概念を軸に、酒鬼薔薇事件などの凶悪事件の問題点を家庭、家族環境から考察した本です。 子供の心と向き合うことなく、自らの都合で子供を操り人形として扱う家族内支配関係が、子供の心をいかに壊していくかがありありと描かれています。 著者のサイトに書かれていることも含め、人間が互いを認め自分らしく生きるという「自律」を願うこの著者の持論は非常に前向きで建設的なのですが、ネット上でも度々見られるように、自分が親に受けた被害にとらわれるあまり、著者の持論を借りて自分の親を責め立てるだけで、自らの成長を放棄してしまう狂信者のような集団と、自分達の非を認めたくない親集団や自らが愛されなかったことを認めたくない人達の集団によるアンチ集団が形成され、不毛な小競り合いが起こったりもしています。 場合によってはこの著書は、互いに自分のことしか考えていない親子同士の対立を深める諸刃の剣になるかもしれません。読まれるかたはどうかお気をつけて。