せつない
既に最新刊(7巻)まで購入済みで暇さえあれば読み返してますが、6巻は矢代の本質に一番近づけたような気がします。
(以下長文失礼します)
矢代自身は過去に自分のことは結構好きで人を羨んだことはただの一度もないとか何の憂いもない誰のせいにもしていない自分の人生が誰かのせいであってはならないと、本気でそう思い込もうとして自分を保っていたけど、もう限界なんでしょうね…
本人はただ快楽を求めているように装ってるけど、義父から性的虐待を受け、その記憶を上書きするためにわざと色々な相手と被虐的関係を持ち続けてきたのかな…あんなことは自分にとって何でもない自分はただ男が好きなわけでもなくヤるのが気持ちいいだけだって思いたかった。
でも義父と同じ男である影山を好きになったことで絶望し、更に百目鬼に惹かれてしまった自分に嫌悪し、自分を慕っている百目鬼と関係を持ったことで今まで目を背けていた自己矛盾に向き合わざるを得なくなった。でも今まで必死で否定して自分を保ってきたのに急には整理できるはずもないし、何も気付きたくないわかりたくもない…何より恐怖でしょうね。これ以上の絶望も味わいたくない。
初めて気持ちが通じ合った相手と関係を持ったのに、虐待の記憶がフラッシュバックするとか辛すぎる。矢代はこれを恐れていたのかな…結局そこからは逃れられないことに。
だからもう何もかも終わらせたかった。平田に殺されて終わりにしたかった。そういうことかな…
他人に心を許さない矢代が百目鬼には早い段階から自然に甘えていて、嫉妬も隠せなかったし、手放したくない葛藤もかなりしてましたね。結局は離れないと自分自身を保てないってことでしょうか。すごくこれまでの矢代とは違っていて余計魅力的でしたけど…
この作品は矢代が自分の本質を語らない代わりに、脇の登場人物達が重要なことを教えてくれますね。これまでも三角や竜崎が、今回は最後に七原が「もしガキが望まねえ形でんなことしてたんなら…」ってあれ真理ですよね。
この作品の着地点がどこなのか、とても気になるところで何だか不安にもなりますが、悲しい最後は嫌だな…解釈は読者にお任せみたいなのも嫌だ。こういう世界なので何事もなくハッピーエンドともいかないでしょうけど、私はハッピーエンドしか望んでない。むしろこの作品がバッドエンドだったら間違いなく次作以降読むのを躊躇う。
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