緊張を増すアメリカと中国の関係を、1979年の両国の国交正常化を起点とした歴史を振り返りながら紐解く。 外交関係は複雑である、だから課題なのだ、と率直に述べるのが本書だ。読者にあわせてシンプルに分かりやすく言い切る本が昨今多いが、そういった本よりも、本書のように現実を捉えた文書は読んでいて勉強になる。それでいて、非常に読みやすい文章である。 アメリカの支援により経済成長を遂げ、現在ではもはやそのアメリカを脅かすほどに大国となりつつある中国。新疆ウイグル自治区との人権問題や非資本主義的なムーブメントの増長、自国で全て賄おうとするクローズドな経済体制。中国のあり方は国際社会において手放しにできない存在となった。そこでアメリカは中国への援助路線から一転、対立の立場へとシフトしていくことになる。 前半はそんなアメリカと中国の外交史を理解するセクション。後半は、関係各国が米中対立をどう見つめているかを踏まえた上で今後の国際社会のあり方を模索する、という構成となっている。