昭和34年に刊行された小説。女性の小説家の周囲で連続する殺人事件、彼女の家族の失踪、彼女自身が精神病員に逃避・・・そんな中で、編集者達は彼女の作品は代作(ゴーストライターが存在する)だという確信を得る。ただし、その確信の根拠が「文章が少しごつごつして、男のような筆致」というのは(それが昭和の感覚であり、致し方無いとは思いますが)うーん、どうなのだろうと首をひねりました。女性の書き手に対して「女らしい」文体や書きぶりを求めるのか、女であるがゆえの苦労や生きづらさ等のリアルな表現を見たいと思うか、の違いなんでしょうけれどね。ストーリーは重厚で、読み応えがありました。