人間の体には驚異的な複雑性や無数の細胞が備わっている一方で,多くの欠点が残されたまま進化している点を指摘する本.具体的には,網膜は後方を向いている,尻尾の痕跡が残されたままになっている,手首の骨の数が多すぎる,リンパ節自体は人体の健康維持に何の役にも立っていない,脳は人間の意識をだましたり偏見をもたらす傾向がある,人間は他の動物と異なり自分で必要なビタミンや栄養素を作り出すことができないなど.精巧で緻密な神秘性が強調されることの多い人体だが,その進化は実は突然変異によるマイナーチェンジを修正しながら行われてきた.本書では,人体が完成とは程遠いままになっている事実を明らかにする.
はじめに:みよ,母なる自然の大失態を
1章 余分な骨と,その他もろもろ
(網膜が後ろを向いているわけ.鼻水の排水口が副鼻腔の一番上にあるわけ.膝が悪くなるわけ.椎間板の間の軟骨がいとも簡単にずれるわけ,などなど)
2章 豊かな食生活?
(ほかの動物とはちがって,人間がビタミンCやビタミンBを食事で摂らねばならないわけ.子供や妊娠している女性のほぼ半数が鉄分を摂っているのに貧血気味なわけ.人類がみなカルシウム不足なわけ,などなど)
3章 ゲノムのなかのガラクタ
(ヒトが,機能している遺伝子とほぼ同じくらい多くの壊れていて機能していない遺伝子も持っているわけ.DNAが過去に感染した何百万ものウイルスの死骸を保持しているわけ.DNAの奇妙な自己複製箇所がゲノムの10パーセント以上を占めるわけ,などなど)
4章 子作りがヘタなホモ・サピエンス (ヒトでは女性の排卵時期と妊娠のタイミングがわかりにくいわけ.すべての霊長類のなかで,ヒトがもっとも受胎率が低く,乳児と母親の死亡率が高いわけ.頭蓋骨が巨大なせいで早めに生まれなければならないわけ,などなど)
5章 なぜ神は医者を創造したのか?
(ヒトの免疫系が自分の身体をやたらと攻撃するわけ.発生過程でのエラーが全身の血流に大問題を引き起こすわけ.がんが避けられないわけ,などなど)
6章 だまされやすいカモ
(ヒトの脳がほんの小さな数しか理解できないわけ.僕らが目の錯覚(錯視)で簡単にだまされてしまうわけ.考えや行動,記憶に間違いがよく起こるわけ.進化が若者,とくに少年に愚かなことをさせるわけ,などなど)
エピローグ 人類の未来


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