科学・哲学

サンデルの「これからの正義の話をしよう」では、結局万人共通の正義はなく、常に議論し続け、相手の正義を尊重するしかないというような結論に終わっていた。しかしこの本はそれに一石を投じる。脳神経科学を駆使し、人間には無いとされる本能に迫る。まだその本能は明確に発見されているわけではないが、これからの研究によっては発見される可能性が示唆されている。 このような本では文化や宗教がないがしろにされていることが多いが、そのような偏見をも含めて論じられているところが新しく思える。哲学者の書いた倫理学の本にはない刺激が感じられた。