原子配置の織り成す「対称性」は、単に並び方だけでなく、電子状態や原子振動に起因する固体や分子の性質に大きな影響を与えています。
この本では、点群や空間群を通して原子の並び方をもたらす対称性を感覚的に学んだ後、基本的な群の概念と量子力学を復習し、分子軌道法やバンド理論などの応用に少しづつ移るというアプローチを取っています。つまり、材料・固体物理・化学などを学ぶ読者に向けて、「対称性」というテーマで結ばれた、いわばバリアフリーの状況を作り出し、始めのハードルをできるだけ低くしたいという意図なのです。さらに、著者自身が作成した300を越す図面と豊富な表を用いて、とても丁寧な説明がなされています。
本書は、対称性の取り扱いと“使える群論”を身に付けたい方々にとって、大きな助けとなるでしょう。
第0章 はじめに
第I部 対称性と結晶学
第1章 ブラベー格子と結晶系
第2章 点群
第3章 空間群
第II部 群論と量子力学
第4章 群論入門
第5章 量子力学の復習
第6章 球対称場における原子の状態
第III部 物質の対称性とその応用
第7章 配位子場理論
第8章 分子軌道法
第9章 分子振動
第10章 バンド理論
第11章 テンソル
問題解答
付録


他のユーザのコメント