猫だって…。

胸が熱くなりました。 人間社会との関わりの中で生きなければならない猫たちの置かれた環境の、何と過酷なことか。 命を軽んじる、心ない人たちの何と多いことか。 そしてその脅威はいつも、子供たちや小動物たち…抵抗する力を持たない弱い命に向けられる。 この本で紹介されているどの猫も、ぎりぎりのところを救われて、優しい人たちとめぐりあい、居場所を得て幸せになった子たちです。 そして、幸せになった猫たちが、幸せにしてくれた人たちを、幸せにしているのです。 猫の一人語りで綴られている22の物語は、どれも愛情に満ちていて、優しく、あたたかい…。 表紙の猫は、「そこにいては邪魔だ」という理由だけで、保健所送りにされる寸前で助けられました。戸惑ったような、困ったような表情は、著者が代弁するように、「ぼく、邪魔ないのちなんかじゃないよね。ここにいてもいいんだよね。」と訴えかけているようです。 人も猫もたったひとつの命を懸命に生きている…、どの命も大切でかけがえのないものだという思いが、温かな読後感とともに、心に染みわたります。 この本の印税は、著者の周囲で個人で保護活動にがんばっている方たちへのカンパ、そして、家のない房総の猫たちのご飯代などに使われるそうです。