欲しかった一冊
奈良東大寺の大仏に象徴される華厳の思想的理念は、日本文化のなかに今もなお、広く深く生きつづけている。茶の湯において、小さな茶室でおこなわれる喫茶の行為のなかに無限の宇宙の広がりを見るのが茶道の生命であり、一輪の切り花のなかに永遠の相を見るのが華道の精神である。限りあるもの、小さなもののなかに、無限なるもの、大いなるものを見ようとする考え方こそ華厳思想の本質であり、その再発見を試みたのが本書である。
序 日本文化と『華厳経』
1.『華厳経』の世界
2.日本人の自然観のなかに定着した華厳思想
3.新しい世界観としての華厳思想
1 『華厳経』とは何かーー『華厳経』の構成と思想
1.雑華(ぞうけ)によって飾られた無限大の仏
2.『華厳経』の構成
3.善財童子の求道(ぐどう)
4.『華厳経』の説く仏とは何か
5.2つの心ーー浄心と妄心
6.人間の心の構造ーー唯識と華厳
2 華厳宗の成立
1.華厳宗成立の思想的背景
2.華厳宗の開祖・杜順(とじゅん)
3.華厳教学の創始者・智儼(ちごん)
4.華厳宗の大成者・法蔵
5.華厳と禅との融合・澄観(ちょうかん)
6.『円覚経(えんがくきょう)』の大研究者・宗密
3 華厳思想の核心
1.小乗と大乗
2.大乗始教(しきょう)と大乗終教(じっきょう)
3.大乗頓教ーー一念不生を仏となす
4.大乗円教ーー華厳思想の至境
5.四種(ししゅ)の真理の領域ーー四種法界(ほっかい)
6.華厳の観法
4 華厳思想の流れ
1.新羅(しらぎ)の華厳
2.日本の華厳


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