突っ込み不足

平成13年に起きた、大阪の附属池田小学校事件。宅間守が小学生8人を殺害し、15人に重軽傷を与えた凄惨な事件を石原慎太郎氏がまとめた。が、他の作家やノンフィクションライター、あるいは新聞が伝えたあれこれが中心で、さしたる物珍しさはない。臨床心理士や国選弁護人へのインタビューにしても、一問一答という極めて安易な書き方だ。こうしたインタビューは、石原氏の考えをベースに、取材相手の考え、回答を交えてこそ作家らしい構成になるもので、結局、氏の名前を利用して売るための本としか思えない。この薄っぺらさ――ページ数も内容も含めて1500円は高すぎ。