ありえないくらいピュアなラブコメ

以下ネタバレ。 ストレートだったはずの男子二人が魅力的な相手に出会って惹かれあった、真摯な恋が成就するまでを描いた作品。 一応BL枠だけれど、描写にデリカシーがあり、王道の少女漫画のような展開で気軽にサクサク見られる。7話・11話までみると最初から見返したくなる仕掛けがあって、伏線回収も楽しくて何周もしたくなる。 最初タイン目線でみていた話が、2週目以降サラワット目線で見たときに全く違う物語として立ち上がる。(オープニングの、運命の人を求めていたタインが駆けてきてサラワットと出くわし二人が立ち止まる再会シーンだけで、涙腺崩壊。高校生のサラワットがタインに出会って一目ぼれするシーンも素敵。探し続けた心がピュアすぎて、タインの笑顔を守りたいと願う彼の気持ちを応援したくなる) ストレートの男子を好きになったサラワット。諦めようとしていたのに成り行きで友人に。タインへの気持ちがつのって一緒に生きていくために何でもすると覚悟したサラワットの健気さが刺さる。 勘違いで舞い上がったりタインの言葉で玉砕したり、タインの言動の一つ一つがサラワットの心に暴風雨を起こしている様子が見て取れる。サラワットがいちいち健気で一途で不器用で痛々しくて、タインの天然ぶりにハラハラする。(4話の、喧噪の中でイヤホンを分けて二人きりでEverythingを聞く場面が美しい。サラワットの視線がタインとぶつかり歌うのをやめて唾を飲む。「分かったよ」という言葉。「知らなくていい」とつぶやくシーンが問答無用でとにかく好き。このシーンを見た瞬間、それまでの多少?引っかかるエピソードやトンチキドラマ風味や商品宣伝諸々、全てまとめて許すことにした。12話は鬱展開だけれど、タインが帰宅したサラワットを抱きしめるシーンがいい。珍しいタインの側からの愛情表現にサラワットが一瞬驚いて、その後幸せそうな保護者みたいな甘い表情でふわっと微笑むのが素敵。演技が自然でまるで本物の恋人同士のよう) ストーリーの冒頭から最後までサラワットのタインへの溺愛ぶり、そっけない態度でもダダ洩れするほどの溺愛ぶりが微笑ましい。高校時代からの一途な片思いが叶ってよかった。 幸せな人たちを見守る幸せを味わえる、多幸感でいっぱいの世界。 だれも排除されない、だれも否定されない、人と人がお互いに抑圧しあうことが無い、そんなサンクチュアリみたいな物語です