シュタイナーの哲学を学び始めて直ぐに「気質」という概念が登場し、その理解に苦労したため良い本を探していた所、2005/11/5に本書が、2006/2/15に「気質でわかる子どもの心」(広瀬牧子著:共同通信社)がと立て続けに出版されました。この「気質」という概念、日本人にはなじみが無いのですが西洋哲学には歴史の古くから登場するようです。気質だけをテーマにした本が少ないのも、西洋では割と説明の必要が薄い一般的な概念だという背景があるのでしょう。あと「人間の四つの気質」(ルドルフ シュタイナー 著, 西川 隆範 翻訳:風濤社)という書籍もありますが、これは同名の講演録を含むシュタイナーの講演録集で、気質だけをテーマに編集されたものではありません。 --- 本書は気質の特徴・気質を見抜く方法などについての描写がとても詳しく書かれていて、気質理解の入門書としては最適かと思います。 特に「○○気質の子どもの親が△△気質の場合」「○○気質が△△気質とうまく付き合うために」といった具体例が全ての組み合わせで網羅されており参考になります。もちろん気質の偏りには人それぞれ強弱がありますので「参考」程度ですが。 --- シュタイナーの言葉を多く引用し、後半その哲学にも少し触れられています。この部分にやや抵抗を感じる向きもあるかもしれません。 翻訳本にありがちな表現など気になる点はありませんでした。 --- こうした分類はともすると安易なレッテル貼りに利用されがちな我が国の悪習がありますが、本書の中にとても印象に残った次のような言葉がありました。 >>「本当の個性がその人自身とすると、気質はその人が >> まとっている『衣服』にすぎません」 人間関係で悩まない人はいませんが、それがあまりに些細な事にまで及ぶのであれば気質の理解がその一助になるかもしれません。今まで「なぜ『あの人は』私の気に入らないことをするのか」理解出来ず困っていたのが、気質を学ぶ事によって「なぜ『私は』あの人のすることが気に入らないのか」解った気がします。 ---