究極の自由とは

作家の角幡唯介さんが絶賛していたので、早速入手。70年代から80年代にヒマラヤで活躍したポーランドのクライマー、ヴォイテク・クルティカについて、カナダのジャーナリスト、ベルナデット・マクドナルドがまとめた評伝。感動の共有などを求めてSNSで発信しながら登る登山家が活躍する昨今、その対極にあるような登山家の話だ。トップクラスの登山をしながらも大衆から距離をおき求道的に究極の自由を求めた登山家の生き方が描かれている。ポーランドの歴史や文化背景の描写も興味深い。ニーチェをはじめ芸術家や思想家の引用があるなど、思想的な面で深く奥行のある内容で、登山という世界を越えて、人間の生き方として多くを問いかける良書。