とにかく「エディプス」と言っときゃ済む。

いつものキタヤマ節でつらつらと紡がれている本書なので、慣れないと読みにくい。 また、これは新書の限界でもあるのだが、精神分析の基本的な概念はサラリとしか描かれないので、素養がないと、性器名称の連発のあたりなどは何がなんやらわけがわからないだろうし、両親の性交の話など、「こいつ何いってんの?」という嫌悪感しか生まれない(まさにその根底にあるものを本書は解説しているわけだが)。 そういう意味で一般向けの入門書とはとても言えない。 しかし、その意味で、素養があれば、それなりに面白い。結局世の中は三角形で、言葉はその最たるもので、セラピストは The rapistなんだなぁ、ということを再認識するのに役に立ったり。 それにしても、クライニアン最盛の分析学界で陰口をたたかれ続けながらも、独立学派として飄々と頑張ってますね、この著者。