地球史&世界史ファンのためのエッセー

本書は、世界中の地質学的に特徴的な場所へ赴いた著者が、その場所にまつわる歴史、風土、エピソードを交えながら、その地質がなぜ、いつ、どのように形成されたのかを解説する「旅エッセー」です。 「地球46億年全史」というタイトルと「576ページ」というボリュームから、「46億年前の地球誕生から現在までの地球の歴史を解説した本」かと勘違いするのは、きっと私だけではないでしょう。 もし私と同じ勘違いをしそうになったら、以下に示す本書の目次がお役に立つでしょう。 アップ・アンド・ダウン、島―天地創造の現場へ、海と大陸、アルプス、プレート、古代の山脈、ドルと宝石、熱い岩、断層線、日の老いたるもの、カバーストーリー、地球深部、地球周回の旅。 本書は「地質学的な特徴」ごとに章立てされています。各章では、その特徴を現す場所にまつわる様々なエピソードが情緒豊かに紹介されています。著者の専門である古生物学、地質学の範囲に留まらず、その土地にまつわる歴史、風土、風物などへの造詣の深さは、世界史ファンにとっては非常に魅力的でしょう。しかし、地図、写真、注釈に乏しい本書は、世界史に詳しくない私にはちんぷんかんぷんでした。 また、本書を読みには世界史ファンの上に、地球史ファンであることも条件です。というのは、46億年前から時系列的に地球史を解説しているわけではないため、本文中の「何億年前」、「何万年前」という記述を読んでも、それがどんな年代なのかを知らなければ理解することが難しいためです。 地球史ファンでない方が本書を読むには、「新版 地球進化論 (岩波現代文庫)」、「生命と地球の歴史 (岩波新書)」などの地球史の入門書で予習する必要がありそうです。